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アニマ(女性)性とアニムス(男性)性の融合

   あなた方は一人ひとりが例外なく、男性として、女性として生きる経験をすることになっています。しかしそうした選択の記憶は原則として顕在意識に上ることはありません。ですから現在の性別が当人にとっては自然なことであるので、特別な意味を持たないように思っているはずです。しかしそうであっても、たとえば男性の場合ならその内側には女性としての人格も存在しており、この女性人格こそ、ユングが称(とな)えた「アニマ(女性性)」の真に意味するところなのです。

   この男性のなかのアニマとは、本人がこれまでの過去世で体験してきた、女性として生きたすべてであり、その霊的記憶なのです。内なる自己は女性であった時の知識のすべてを持ち、そのとき得た女性的特質のすべてを直感的に把握しています。よって彼のなかのアニマ(女性性)は、現在男性として生きている環境や教育などの文化的状況において、どのような男性的資質を押し付けられるようなことがあっても、それを偏重したり過大評価したりすることのないよう、それに歯止めをかける重要な保護手段としての役目を果たしています。このアニマ(女性性)は、強硬で攻撃的な性向に円熟した柔軟さをもたらすことができます。また家族内で女性とのコミュニケーションのために役立ち、芸術や言葉による表現においても、意思の伝達をより円滑にするという役目も果たしています。

   そうしたことから男性は、夢でしばしば女性としての自分を見ます。
   その時の状況を見ていくことで、女性であったときの転生についてかなりの情報を得ることが可能です。「男性」性と「女性」性というのは、明らかに対立する対極同士ではなく、「融合」に向かいつつある流れのことなのです。女性を顕す普遍的な元型(アーキタイプ)として「女性司祭」、「母親」、「年若き魔女」、「妻」、「老賢女」といった表現をしますが、それはあらゆる女性的資質や、男性が経験するさまざまな女性としての転生を象徴する根源的要素なのです。

   同じく女性にもまた、自らの性別に行き過ぎた偏重が及ばないように、ユングが「アニムス(男性性)」と称した、女性の中に潜む男性というものが存在します。アニムスもまた男性を顕す元型(アーキタイプ)として「少年」、「司祭」、「密林の未開人」、「老賢人」などの、男性としての転生を象徴的に表しています。ですから女性もまた、こうした元型が現れる夢や、自分が男性として登場する夢を学ぶことで、自分の男性としての過去世について多くの情報を得ることができます。

   現在のあなた方の人格存在は、いわゆるアニマとアニムスを通して、異性として生きた過去世に由来する知識や直感、さらにその背後にある情報をも引き出して利用することができます。たとえば女性という資質を極端なまでに誇張して表現している人の場合は、内なるアニマとアニムスが夢の体験を通して、豊かな叡智を携えてその女性を助けるために働きます。こうして本人の内なるアニマとアニムスの叡智が、行き過ぎた女性的資質を相殺するような男性的反応を生み出してバランスをとるのです。

   こうしたことはその理由に関わらず、女性だけでなく男性としての資質を過大評価している人にも該当します。つまりその男性の内なる女性性は、本人のそうした偏重を修正する行為を促し、攻撃性や強硬性を相殺するような直感力や創造的行為を呼び覚ますのです。このような働きは個人的レベルあるいは全体的レベルであれ、そのバランスのなかで結果として起きてくることが望ましく、そのままにしておいても自然と攻撃性が創造的な表現として用いられるところに落ち着く、というのが理想的なあり方です。そしてそうあることは可能なのです。

   過去世の体験によって得られたアニムス(男性性)とアニマ(女性性)は、あなた方の精神のなかにリアリティをもつだけでなく、内なる自己によって遺伝的にコード化されたデータ、すなわち過去世での霊的な出来事の遺伝的記憶に埋め込まれています。つまりそれらは、あなた方の肉体を構成する、細胞の一つ一つの遺伝的記憶のなかに置き換えられて存在しているのです。

   あなた方の内なる自己は転生によって新たな肉体をまとう時、過去世で関わってきた肉体の記憶を、新たな肉体の遺伝的形質全体に浸透させます。しかしながら新たな肉体による現世での性質が優勢なあまり、多くの場合、過去世でのそれらを覆い隠してしまうのが常であり、それらの性質は潜在的に存在したり、あなたの行動の仕方に組み込まれているものもあります。ですから現世のあなたの物理的な行動様式とは、あなたの過去世における肉体と、その長所や短所や傾向などの遺伝的記憶にほかならないのです。

   今のあなた方の肉体には、いくつかの見えない層があります。
   そしてもちろん、一番表面にある層が、あなた方が見ている肉体という現世での身体的形態であり、そのなかに織り込まれるように、見えない潜在的な層である「影」が存在しています。何重にも重なるこうした層は、あなた方の人格存在の過去世での肉体像を表しています。
   輪廻転生の体験は自己の骨格の一部であり、自らの精神の多次元的現実の一局面をなしています。そしてそれらの体験は夢見の状態においてだけでなく、活動レベルにおいても反映されています。現在のあなたという自己を「織り生地」にたとえると、過去世としての転生の体験はその中に織り込まれており、その記憶はしばしば意識に浮上してきますが、それらは空想や芸術的創造として投影された形で表面化するために、「過去世の記憶」として認識されることがないのです。

   たとえば歴史作家の著述は、その時代における本人の実体験にもとづいて書かれていることが多く、そうした場合には、現在の自己と無意識との間に望ましい調和関係がはたらいており、それによって過去世の記憶を浮上させることができるのです。そしてしばしば夢見の状況において、こうした転生の情報が同じような劇的な形に基づいて形成されます。こうした状況においても、アニマ(女性性)とアニムス(男性性)は手に手を携えて、「対極」としてではなく、「調和」しあう性質としてはたらきます。そしてアニマとアニムスが一つに統合されたとき、それは精神的にも物質的にも、また創造性の源泉の象徴となるのです。

   アニマ(女性性)は始原期の「必然的」な霊性であり、瞑想、思いやり、深い内観的性格、創造性の源である「内側への意識の集中」を表します。しかしあなた方が「女性性」を指して表現する、能動性や積極性の欠如を示す「受動的」という言葉は、アニマの性質を表す表現としてはふさわしくありません。なぜならまったく事実に反しているからです。アニマは確かに作用や影響を受け入れますが、それは理解を試みようとする必要性と願望が行動の真意としてあるからです。したがってアニマにはぐいぐいと衝き動かされたいという逆の性質の願望を強く持っているのです。アニムス(男性性)は、アニマ的性質によって確実になった創造性を意気揚々と掲げながら、外へと、つまり物質的活動へと向かわせる積極性をもたらします。

   全体的自己とは明らかに、アニマ的性質とアニムス的性質の総体であると言うことができます。あなた方がそれぞれに最後の転生を終えた後には、肉体や性的要素を伴った創造活動はもはや必要ではなくなります。言い換えれば、もう身体的生殖を営む必要がなくなるのです。そのことを簡潔に表現すると、全体として統一された自己には、男性性と女性性が精緻にして親密なる同調と融合が完成された状態にあるということです。

   そして真の自己とは、そうした両性の融合の中から生まれ出るものなのです。
   あなた方の現在の在り方に見られるような、一方の性別が他方を凌駕しているとしたり、どちらかの性別だけが重視されたりされなかったりするような状況においては、未だそのような自己の融合は不可能と言わざるを得ません。


           
Seth Speaks
        book 「セスは語る」魂が永遠であるということ 
                   ジェーン・ロバーツ著 ロバート・F・バッツ記録
                      ナチュラルスピリット

                          抜粋
   

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