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・がんは早く見つけると早く死ぬことになるのはなぜ?

胃がん集団検診を廃止した長野県泰阜村
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   これまで検討してきたように、がん検診が死亡数を減らすというのは誤解ないしは幻想のようです。前立腺がん、乳がん、甲状腺がん、胃がんなどの諸国の統計でも、がんの発見数と死亡数の関係は”ワニの口”の形になっていて、がん早期発見が無効であることを示しています。(ワニの口の形とは、右肩上がりのガン発見数とその下に表示される死亡数のグラフの形がワニが口を開けているように見えること。がん早期発見伴い死亡数は減少するはずが、実際には死亡数は横ばい一直線で変化していない)
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   それどころか肺がんや大腸がんのように、比較試験で死亡数が増えてしまったケースもあります。(1章 2章)。胃がんでは長野県泰阜村での出来事が有名です。ここは日本でも早くに胃がんの集団検診を導入した村ですが、検診を受けた直後に胃がんで死亡したケースが相次ぎ、村の診療所長の網野晧之さんが集団検診をやめさせました。
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   検診廃止前の5年間は、胃がんで死亡した人が村の総死亡数の6%だったので、もし検診が有効ならば、この割合は増えるはずです。ところが、検診を廃止した後の5年間の胃がん死亡者は、全死亡数の2%へと、逆に減ってしまったのです。そこから推理すると、胃がん検診を一切やめれば死亡数も大きく減少するでしょう。
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手術で亡くなっても「がん死」扱いに
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   がん検診をするとなぜ死亡数が増えるのか。本章ではその理由を検討しましょう。歌舞伎役者の中村勘三郎さんのケースが参考になります。
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   勘三郎さんは人間ドックの内視鏡検査で、食道に小さながんが見つかり、2012年7月に手術を受けました。食道を全摘し、胃袋を胸に引っ張り上げて代用食道とする手術なので、胃袋に本来備わる逆流の防止機能が失われてしまいました。そのため術後、小腸内の消化液がのど元まで逆流し、誤嚥(ごえん)してしまったのです。そして気管に入った消化液は肺組織を溶かし、勘三郎さんは呼吸不全のために12月に亡くなられました。これは明らかに、手術の合併症による”術死”ないしは”治療死”です。
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   食道がんに限らず、胸やお腹の手術では、感染症や出血などの合併症により、たくさんの患者さんが術死してきました。ところが比較試験では、術死も”がん死”にカウントされるため、がん死亡数が増える一因になっています。まるで治療死などないかのように装っているとも言えます。厚労省が公表する国民の死因統計にも、”術死”や”治療死”という項目はありません。では、どうしているのか。
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   勘三郎さんのようなケースでは通常、死亡診断書の”直接死因”の欄に”呼吸不全”、”直接死因の原因”の欄には”肺炎”、さらにその原因の欄には”食道がん”と記入されます。すると厚労省の統計部門は、このケースは食道がんによって死亡したと認定するのです。
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――今後、死因統計でがん死の欄を見たら、治療死が混ざっていることを想起しましょう。
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   もし勘三郎さんが、手術を受けなかったならどうなっていたでしょうか。この点、私は、食事が飲み込めないなどの自覚症状がない、小さな食道がんを放置した人をを何人も診てきました。その後の経過は、①増大、②不変、③縮小ないしは消失に分かれます。増大する場合にも、食事がとれなくなるまでに数年を要し、そうなってから放射線などで対処すれば、さらに長生きできます。勘三郎さんも、もし手術を受けていなければ、いまでも舞台を務めていられた可能性が高いのです。
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手術でがん細胞が増殖する
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   手術には、がんの増殖をスピードアップさせる効果もあります。実例をお見せしましょう。図12(本書p.75参照)は、乳がんで乳房を全摘された患者さんの術後の写真です。黒っぽく見えているのが再発病巣で、その範囲は手術時にメスが入った部位に限られています。正常組織には、がん細胞が育たないようにする抵抗力がある反面、メスが入ると、その抵抗力が破たんするからでしょう。
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   内臓がんでも、手術すると同じことが起こります。
   食道がん、肺がん、胃がんなどの術後に死亡した人たちの解剖に立ち会った時、メスが入った部位への再発をよく見かけたものです。ただし、どこかの臓器に転移がひそんでいたケースに限られます。
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   転移が潜んでいるのは、初発病巣のがん細胞が血管の中に入ることができ、血液とともに全身を巡り、一部が臓器に取りついたことを意味します。とすると、手術時にも血管の中をがん細胞が巡っています。そこにメスが入ると血管が切れ、がん細胞が血液とともに流れ出し、傷あとに取りついて増殖するのです。図12のケースも、血管内のがん細胞が術創にばら撒かれたものでしょう。したがってこれは、通常言われている”局所再発”ではなく、”局所転移”と表現するのが適切です。
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   胃や腸を覆っている腹膜にも局所転移が生じます。
   かつて人気アナウンサーだった逸見政孝さんは、人間ドックで見つかった小さな胃がんの術後、1年もしないうちに亡くなりました。図12のような局所転移が腹膜に生じたからです。手術さえ受けなければ、後何年も元気だったはずです。(拙著『がん放置療法のすすめ』)
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.   手術で転移の成長スピードが加速することもあります。
   もっとも古い報告例は次のケースでしょう。世界でもっとも有名な米国ハーバード大学の病院で、20世紀半ばに大腸がんの手術が行われました。その時肝臓に転移が認められなかったのに、術後、肝転移が急激に増大し、患者は手術から10週間で肝機能不全のために亡くなりました。このケースを報告した外科医は、がんの急速増大のきっかけは手術だと総括しています。
(N Engl J Med 1950;242: 167)°
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   このようなスピードアップも、臓器に転移が潜んでいた場合に限られます。がん細胞が自然に湧いてくるわけではないからです。普段は体の抵抗力ががん細胞の増殖を抑えていますが、手術すると抵抗力が破たんし、潜んでいたがん細胞がとたんに増殖を始めるわけです。医学界では、前述した1950年の報告以来、いろいろながんの術後に転移が急に出現した事例が報じられています。
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早く見つけるほど、早く死にやすい――人間ドックの逆説
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   横綱千代の富士(先代九重親方)もそうでしょう。
   人間ドックで小さなすい臓がんが見つかり、2015年6月の手術では完全に切除できたと言われたのに、すぐに肺などに再発し、手術から1年ほどで亡くなりました。すい臓がんはタチが悪いことも確かですが、もっと大きくなって痛みなどが出てきても、転移はおとなしくて検査では見つからないほど小さいのが普通です。千代の富士は人間ドックを受けなければ、今でもすい臓がんの存在に気づいていなかった可能性があります。
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   これについて元消化器外科医の萬田緑平医師は、こう証言しています。「私の母は10年以上前に、超早期のすい臓がんと診断されたんです。もちろん、手術はさせませんでした。再検査してないから、進行しているのかどうかわからないんだけど、母は今も元気に水泳してます」(萬田・近藤対談『世界一ラクな「がん治療」』)
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   女優の川島なお美さんも同じです。
   彼女は毎年受けている人間ドックで、肝臓に1.7センチの影が映り、肝内胆管がんと判明しました。肝臓の部分切除術が実施され、完全切除と報じられましたが、術後半年も経たないうちに転移が出現し、肝機能不全のために亡くなられたのです。肝臓内にがんが生じた場所からして、がんが10センチの大きさになっても亡くならなかったはずなので、手術ががんの増殖を加速させたことは確実です。
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   歌舞伎役者の坂東三津五郎さんは、千代の富士関とそっくりです。
   小さなすい臓がんが人間ドックで発見され、手術で完全に切除できたそうですが、じきに転移が生じて亡くなられました。手術が体の抵抗力を破たんさせ、肺に潜んでいた転移がスピードアップしたのでしょう。
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   勘三郎さんや川島さんなど、これまで挙げてきた有名人のケースは、人間ドックで小さながんが発見された点で共通しています。直接死因は手術の合併症であったり、転移がんの急成長だったりしますが、手術しなければその時点では死亡はあり得なかったという意味で、これは”術死”ないしは”治療死”です。
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   職場検診や住民健診の検査では、食道がん、すい臓がん、肝内胆管がんなどを早期に発見するのは難しく、人間ドックの内視鏡、超音波、CTなどで発見されます。しかしこうしたがんのほとんどは、たとえ早期発見でも転移が潜んでいるので、早く見つけるほど早く死にやすくなります。芸能人などセレブの世界では人間ドックが大流行のようですが、その結果、早死にしやすいのは皮肉なことです。勘三郎さんらはまさに”人間ドック死”と言えるでしょう。
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抗がん剤は「クスリ」ではなく「毒」
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   検診で発見されたがんにも、よく抗がん剤が使われますが、その副作用は酷いものです。たとえば種々のがんで標準治療とされている”ドセタキセル”の副作用です。
・白血球減少などの骨髄抑制
・呼吸困難や血圧低下などのショック療法
・黄疸、肝不全
・急性腎不全
・間質性肺炎、肺線維症
・心不全
・腸管穿孔、胃腸出血
 
   これらは医師向けの説明書に”重大な副作用”として挙げられている内の一部であり、これはもはや副作用というより”毒性”です。実際にもドセタキセルなど抗がん剤のほとんどは、正式に”毒薬”に指定されています。
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   そのため抗がん剤治療を受けると、元気な人でもたちまち心臓や肺、骨髄、腎臓などの機能が低下して、よく急死します。作家の渡辺淳一さんや棋士の米長邦雄さんは、ドセタキセルの毒性で亡くなられているし、芸能レポーターの梨本勝さん、ピアニストの中村紘子さんなどたくさんの有名人も、抗がん剤で急死しています。
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   北の湖親方もその1人です。
   直腸がんで闘病していたところ、2015年11月の九州場所の最中に、極度の貧血で病院に担ぎ込まれ、”多臓器不全”で死亡したと報じられました。――そう聞いた人々は「多臓器不全って何?」「多くの臓器がダメになるんだろう」「がんって怖いね」と思ったことでしょう。
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   しかし実は多臓器不全というのは、抗がん剤で急死する典型的なパターンなのです。抗がん剤を使うことで骨髄の造血機能が抑制されて貧血になるわけで、そうすると体に十分な血液が供給されず、多数の臓器が一度に機能不全に陥るというわけです。また白血球が減少し⇒肺炎や敗血症⇒多臓器不全というパターンもあります。
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   これに対し、がんの転移によって亡くなる場合には、穏やかな経過をたどり、自然に枯れていって老衰のように亡くなります。つまり、(手術もせず)抗がん剤を使わなければ、元気だった人がいきなり死ぬことはないのです。今後、ニュースで「多臓器不全」や「がんで急死」と聞いたら、抗がん剤による”毒性死”を思い浮かべましょう。
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     『健康診断は受けてはいけない』 近藤誠 文春新書
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                            抜粋
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   多くの方々の著書や文章から掲載させて頂いています。
   私は基本的に、隠されている、公けにされていない、あるいは「誰もが知るべき真実」は、まだ知らない人々に伝えなければならないと考えています。その意味で、新たな情報、真実と考える物を掲載させて頂いています。侵害とお考えの際は、いつでも削除しますので、コメント欄にてお知らせください。ありがとうございます。
 

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