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・韓国人とは「話し合いを」は通用しない

櫻井よしこ  日本は韓国や北朝鮮に莫大な投資をし、インフラ整備をして多くの工場を作りました。敗戦で、それらをすべてを置いて帰って来たという経験を語る人は少なくありません。学校をつくり、新聞をつくり、さまざまに努力したわけですが、韓国の人々が「日韓併合」そのものを否定するなら、そこで話は止まります。ただ実際には、日本人は韓国人が言うほど悪い統治をしたわけではないということは指摘しておきたいのです。
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  理解できないのは、韓国人は日本に対して「恨」の気持ちを強く持つ一方で、中国に対しては驚くほど甘い。前述のように中国は朝鮮半島に200回も攻め入っています。朝鮮はいわゆる「冊封(さくほう)体制」の下で、中国を宗主国として毎年貢ぎ物(みつぎもの)を贈っていました。それは物だけではなく、人間も贈っていたわけです。料理の上手いコックを100人連れて来いと言われたら、人間を連れて行ってその人たちを差し出し、美しい女性も連れて来いと言われて女性も差し出す。朝鮮はそのような侵略を重ねてきた中国に何も言いません。
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呉善花  そうです。中国・朝鮮史では「民族の恥」となることは教えないわけです。ですから多くの韓国人はそれらのことを知りません。日本に対しては、たとえば日本が朝鮮のインフラ整備をして経済発展を遂げたという歴史があったとしても、「それは日本が植民地支配をするためにやったこと」という言い方をします。ですから、日本は隙さえあれば韓国から収奪しようとしていると考えるのです。
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  しかし中国に対してはそのような感情がない。なぜか? それは中国に文明幻想を抱いているからです。つまり、文明は中国に発した、わかりやすく言うと、韓国人にとって中国は文明の「お父さん」なんですね。それで韓国は「お兄さん」、日本は「弟」という気持ちが韓国人にはあります。弟はいかなる場合にも兄に従わなくてはならないというのが、言うまでもなく儒教道徳の教えです。
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  韓国人にとって日本は「下」であり、さらに日本は島ですから「未開」という印象なのです。そのどうしようもない未開の弟である日本にやられたということだけは、悔しくてならないという気持ちがあります。一方、中国に対しては父親コンプレックスとしての文明コンプレックスがあるので、尊敬する気持ち、恩恵を期待する気持ちがあります。
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櫻井  精神的序列というか、精神的に中国の属国なのでしょうか。
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呉  実際に歴史的には中国の属国だったわけですが、偉大な中国に臣下として属することは、朝鮮の誇りでもありました。このように朝鮮半島は常に強い国に頼ってきたのです。戦後しばらくの間、中国は経済的に弱かったので、はじめて見下げる気持ちを持つようになりました。ところが近年、中国が経済的に強くなったと感じると、たちまち韓国では「偉大な中国」が甦ったとの思いから、中国への急接近が始まったのです。

  それと韓国は対日貿易は赤字ですが、対中貿易は黒字です。だから中国への接近は経済的な要因も大きいのだと思います。同様に、日本より中国に留学する学生が増えていますが、これは目先の判断だと思いますが残念なことです。
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櫻井  朝鮮半島は中国と陸続きです。中国には非常に侵略的な面があり、北朝鮮は中国のものだという見方をとっています。かつて中国は朝鮮の宗主国でした。しつこいようですが、かつて朝鮮半島は中国の属国で、元の時代には200回も朝鮮を侵略しています。しかし韓国人はこのような歴史はあまり気にしない。中国が歴史上、韓国や北朝鮮に対して、どれほど強圧的なことをしたかということは頭にないのでしょうか?
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  やはり中国は韓国人にとって「上の人」だからです。ですから中国からされたことについて、歴史的な運命のように受け取ることもできるのですが、こと日本についてとなると、許せない。つまり「下の人」から自分たちがやられたと思っているので、それが悔しくて仕方ないのです。
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韓国人とは「話し合いを」は通用しない
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櫻井  中国はたしかに大国で経済成長を遂げているかもしれませんが、中国の価値観は一党独裁、軍事独裁、人権弾圧、異民族弾圧、異民族虐殺・・・と民主主義国家とは相容れない。そういう国であることを知りながら、それでも中国についていくのはなぜ?
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  韓国人には、中国が本来的な偉大な国を再現するならついていこう、すべて許せるという精神性があると言っていいでしょう。韓国人には無意識のうちに、偉大な中国の再生を期待するものがあった。そうなれば、日本を一切無視することができます。何年か前に韓国人は、めざましい経済成長期に入った中国のことを「龍が立ち上がった」という表現を盛んにしていました。
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櫻井  それは尊敬の念ですか?
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呉  そして朝鮮半島の人たちには、近代的な意味での人権という発想が極めて脆弱です。韓国の社会では、身分や地位、能力、知識などに優れた者が上に立たなくてはならない、劣った者は下にいなくてはならないという、儒教的な道徳制度イコール伝統的価値観が今も根強く生きています。

  ですから中国がたとえどのような統治をしようとも、あれだけ大きな国が「立派に」統治できているとして評価するし、そうした「優れた統治」への憧れがあります。「上下の秩序」がよく整っていることが、国家社会の安定に最も重要なことだと考えているからです。ですからそれこそが第一で、北朝鮮はもちろん、韓国でも人権とか自由などはそれほど重要なことではなく、二の次になっています。
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櫻井  日本と韓国はよい関係を築かなければならないと、私は今でもそう思っています。ですがお話を伺うと、日韓関係はこのままでは決してうまくいかない。もしうまくいかせようと思うならば、善花さんのお話からすると、むしろ日本が強くなった方がよいのですね。
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呉  そうですね。韓国は基本的には強い者につくという、伝統的な「事大主義」から抜け切れていません。日本が強くなると韓国は何となくついて来るかもしれない。過去でもそうでしたが、日本が強くなると日本の方を向き、そうでもなくなると今度はロシアについたりしました。ですから日本が弱くなったり、あるいは「強い者としての気前のよさ」に欠けたりすると、「もっとよくしてくれる強い国がいい」と、また他の国につくようなことになるでしょう。
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  歴史はともかくとして、韓国には今、冷静に判断してもらいたいところです。韓国にとって今重要なことは、自由のない国ではなく、日本やアメリカなどの少なくとも自由のある国と仲良くすることだと思うのですが、未だに朴槿恵氏も自由のない中国に寄っていました。私はそれが心配でならないのですが、もう少し緩やかな気持ちで日本を理解してもらいたいですね。
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櫻井  日本と韓国は歴史問題で激しくぶつかります。互いの考え方を一致させるのは無理かもしれませんが、「違う」ということを認めることはできませんか?
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呉  韓国人にはその発想がありません。韓国人にあるのは、人間は一つの価値観に従っていくものだという発想です。これを話し始めると歴史を遡らねばなりませんが、とにかく韓国人にとって真実は一つしかありません。そこから外れたものはすべておかしいと判断する。これが朝鮮半島の人々の精神性なのです。ですから当然、歴史認識も一つしかありません。
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  日本人は歴史認識として、ある考え方があれば、また別の考え方もあることを認めます。しかし朝鮮半島の人々からすると、それはおかしいことなのです。朝鮮半島では国家(の指導的な知識人)がある歴史認識を示すと、歴史認識はそれ一つになります。しかもこれが普遍的(絶対的)なものとして示されるので、日本人も当然、この歴史認識に従わねばならないという発想になります。これは長い年月をかけて、朱子学だけで精神性が形作られた影響がとても大きいですね。つまり、多元的ではなく一元的に動いているのが韓国人なのです。
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櫻井  韓国の価値観を中心にした一元性、ということですね。
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呉  そうです。理解するとすれば、そのような韓国人を理解する必要があります。ですから日本人がいくら「さまざまな考え方があるから、話し合いましょう」と言っても、韓国人には通用しません。なぜなら価値の中心にあるのは、(韓国人にとっての)道徳的な善悪だからです。もしこれが相対的なものであれば、世の秩序が形成されない、だから(自分たちにとってのただ一つの)絶対的なものでなくてはならないのです。
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     『赤い韓国』 櫻井よしこ×呉善花 産経セレクト(S-007)
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                            抜粋
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